スルホニル尿素薬の一覧と作用機序

目次

代表的なスルホニル尿素薬一覧

スルホニル尿素薬一覧
第1世代
・トルブタミド
・グリクロピラミド
・アセトヘキサミド
・クロルプロパミド
第2世代
・グリベンクラミド
・グリクラジド
第3世代
・グリメピリド

スルホニル尿素薬の作用機序

スルホニル尿素薬は、膵臓のランゲルハンス島β細胞上のATP感受性K+チャネルに存在するスルホニルウレアSU受容体に結合し、このチャネルを遮断する。その結果、細胞膜の脱分極が引き起こされ、電位依存性のCa2+チャネルが開口することでCa2+が細胞内に流入し、それに刺激されて分泌顆粒からインスリンが放出される。インスリンは細胞内への糖の取り込みを増加させる作用をもつため、結果として血糖値は低下する。

スルホニル尿素薬の適応

スルホニル尿素薬は、主に「2型糖尿病」の患者に対して用いられる。

スルホニル尿素薬の副作用

副作用一覧
・低血糖
・貧血
・肝障害
・無顆粒球症
・胃腸障害
・光線過敏症

「インスリンによる血糖値低下の仕組み」でやったように、通常インスリン分泌はグルコースの濃度に依存して行われる。しかし、スルホニルウレア薬によるインスリン分泌はK+チャネルの遮断を介して行われるため、血糖値(血中のグルコース濃度)が高くない時でもインスリンの分泌が促進されてしまう。その結果、過度のインスリン分泌による低血糖・貧血などを引き起こす可能性がある。

SU薬の二次無効

投与開始時からSU薬の効果が見られない場合を一次無効、投与開始時は効果が現れていたのに徐々に効かなくなっていった場合を二次無効という。

二次無効の原因としては以下のようなものが考えられる。

二次無効の原因
・インスリン抵抗性の増大
・インスリン分泌障害の悪化

食事療法や運動療法など、薬以外の基本的な治療法を疎かにしている場合、肥満によりインスリン抵抗性が増大してSU薬の効果が現れにくくなってしまう場合がある。また、SU薬による継続的なインスリン分泌促進作用により、膵臓のβ細胞が疲弊しインスリン分泌障害が悪化してしまう場合もある。

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