接触皮膚炎とは
接触皮膚炎とは、皮膚(特に表皮)が何らかの物質に接触することによって炎症を起こす疾患のことである。
接触皮膚炎には、接触した物質そのものの作用によって引き起こされる刺激性接触皮膚炎と、接触した物質により誘発された固体が持つアレルギー機能により発生するアレルギー性接触皮膚炎の2種類が存在する。
原因物質との接触から皮膚炎を発症するまでに時間がかかる場合も多く、いざ接触皮膚炎だと診断されても原因が何か判断するのが難しい場合も存在する。
・光接触皮膚炎
・全身性接触皮膚炎
・色素沈着性接触皮膚炎
・真皮内に入り込んだ異物が原因となる接触皮膚炎
接触皮膚炎の仕組み
直接的な表皮細胞障害
・アレルギー性接触皮膚炎
免疫系による自己障害
接触した物質が、物理的又は化学的に表皮角質層のバリア機能を障害して表皮細胞を傷つけることで、ライソソームやサイトカインが放出され、それらが原因となって表皮上で炎症が起こる。これが刺激性接触皮膚炎である。
アレルギー性皮膚炎は、Ⅳ型アレルギーの一種である。接触した物質は、表皮の抗原提示細胞であるランゲルハンス細胞に捕獲され、異物として認識される。異物を認識したランゲルハンス細胞は、リンパ節に移動してT細胞に対して抗原提示を行う。これにより生体内に今回接触した物質に対する免疫ができ、次に同じ物質が接触したときに素早く効果的な反応を示すようになるが、これが過剰になった時に炎症が起き、皮膚炎となる。
接触皮膚炎の原因
刺激性接触皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎の原因となる“接触する物質”として有名なものをいくつか紹介しておく。
刺激性接触皮膚炎 | ・シャンプー ・帽子 ・カラーリング剤 ・化粧品 ・メガネ ・衣服 ・ゴム類 ・金属類 |
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アレルギー性接触皮膚炎 | ・金属類(コバルト/クロム/ニッケルなど) ・植物(トマト/レタス/キク/アロエ/銀杏など) ・カラーリング剤 ・消毒薬 |
接触性皮膚炎の治療法
② 対症療法
まずは、原因物質との接触を回避するのが最優先である。
次に、対症療法(既に起きてしまっている皮膚炎を抑える)を行っていく。対症療法は、基本的にステロイド剤を用いて行っていく。しかし、刺激に弱い部分(顔や陰部など)には弱めのステロイドを、毛髪等にはローションタイプのものを用いて行なう。
また、接触皮膚炎の原因が食器洗い用洗剤である場合など、手指に傷が多い時にはステロイド剤と併用して保湿クリーム等で十分に保湿を行なうことも重要である。