【全8種類】貧血治療薬の分類・作用機序まとめ

鉄化合物製剤

鉄化合物製剤
経口鉄化合物製剤
・硫酸鉄
・フマル酸第一鉄
・クエン酸第一鉄ナトリウム

静注鉄化合物製剤
・含糖酸化鉄
・シデフェロン

鉄化合物製剤は、その名の通り鉄を含んでいる化合物である。
不足した鉄を補うことでヘモグロビンの合成を促進する効果があり、鉄の不足が原因となって発症する「鉄欠乏性貧血」に対して用いられる。

*経口剤に関するポイント*
・消化管に置ける吸収効率は3価鉄よりも2価鉄の方がよい。
・血清鉄に続き、貯蔵鉄(フェリチン)が正常値に戻るまで継続的に投与する。(半年程度)
・便の色が変色する(黒変)恐れあり
・副作用:胃腸障害(悪心,嘔吐,便秘,下痢など)
・相互作用:テトラサイクリン系薬剤,制酸剤,H2受容体遮断薬,プロトンポンプ阻害薬の吸収阻害
*注射剤に関するポイント*
・速効性が求められる場合や消化管吸収に異常がある場合(つまり経口剤を用いるのに都合が悪い場合)に用いる。
・鉄過剰症に注意

ビタミンB12製剤

ビタミンB12製剤
・シアノコバラミン
・メチルコバラミン
・ヒドロキソコバラミン

ビタミンB12製剤はビタミンB12の不足が原因となって発症する「巨赤芽球性貧血」に対して用いる。

*ビタミンB12と悪性貧血*
ビタミンB12は、胃壁細胞から分泌される内因子と結合し小腸から吸収されるため、内因子が欠乏するとビタミンB12の吸収が阻害され貧血を起こすことがある。このタイプの貧血は「悪性貧血」と呼ばれ、通常の巨赤芽球性貧血(ビタミンB12や葉酸が不足することにより引き起こされる貧血)とは区別される。
悪性貧血の場合は、ビタミンB12製剤を経口投与するのではなく、皮下注又は静注で投与する。

葉酸製剤

葉酸製剤
・葉酸

葉酸製剤は、葉酸の欠乏が原因となって引き起こされる「巨赤芽球性貧血」に対して用いられる。
葉酸製剤を単独で使用することは少なく、多くの場合はビタミンB12製剤と併用する。(単独で使用すると、ビタミンB12の消費が過剰になり神経症状を悪化させるため)

ビタミンB6製剤

ビタミンB6製剤
・ピリドキサール
・ピリドキシン

ビタミンB6製剤は「鉄芽球性貧血」に対して用いる。
ビタミン6はヘム合成を行う際の律速酵素であるδ-アミノレブリン酸(ALA)合成酵素の補酵素として働き、ヘム合成を促進する働きがある。鉄芽球性貧血では、鉄の供給量は十分であるにもかかわらず「ビタミンB6の不足」が原因で貧血になってしまっているので、ビタミンB6製剤を投与することで改善が期待できる。

エリスロポエチン製剤

エリスロポエチン製剤
・エポチエンアルファ
・エポチエンベータ

エリスロポエチン製剤は「腎性貧血」に対して用いる。
エリスロポエチンは“造血因子”の一種であり、体内での赤血球の生成に深く関わっている。腎性貧血は腎臓でのエリスロポエチンの生成が上手くいっていないことで起こる貧血なので、エリスロポエチンを含む製剤を投与することで改善が期待できる。また、手術予定患者の自己血貯血などにも用いられることがある。
副作用としては、赤血球数の増加に伴う脳梗塞・心筋梗塞・肺塞栓などが有名である。

タンパク同化ステロイド

タンパク同化ステロイド
・テストステロン
・メテノロン(テストステロン誘導体)
・オキシメトロン(テストステロン誘導体)
・ナンドロロン(テストステロン誘導体)

タンパク同化ステロイドは「再生不良性貧血」に対して用いられる。
造血幹細胞を刺激するとともに、腎臓でのエリスロポエチン産生を促進することで赤血球数を増加させる。

副腎皮質ステロイド

副腎皮質ステロイド
・デキサメタゾン
・プレドニゾロン

副腎皮質ステロイドは「再生不良性貧血・溶血性貧血」に対して用いる。
免疫反応を抑制することで、造血幹細胞や赤血球に対する自己破壊を抑える。

免疫抑制薬

免疫抑制薬
・アザチオプリン
・シクロスポリン
・抗ヒト胸腺細胞ウマ免疫グロブリン(ATG)

免疫抑制薬は、副腎皮質ステロイドと同様「再生不良性貧血・溶血性貧血」に対して用いる。

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