ガンとウイルス(HBV・HCV・HTLV-1・HPVなど)

肝炎ウイルス(HBV・HCV)と肝ガン

ガンに関係する肝炎ウイルスは2種類存在する

POINT肝炎ウイルスとがん
B型肝炎ウイルス(HBV)
世界人口の約5%が感染
その内数%が肝ガンを発症
C型肝炎ウイルス(HCV)
世界人口の約3%が感染
そのうち80%が肝炎、肝炎感染者のうち20〜30%が肝硬変や肝ガンに

B型肝炎ウイルスHBV)は世界人口の5%程度が感染する肝炎ウイルスである。
感染者のうち数%の人が肝ガンを発症する。
C型肝炎ウイルスHCV)は世界人口の約3%が感染する肝炎ウイルスである。
感染者のうち80%程度が慢性肝炎に、そのうち20〜30%が肝硬変や肝ガンになる。
なお、日本では肝ガン発症者の約80%がHCVキャリア(HCVの感染者)、約15%がHBVキャリアである。

細胞を“ガン化”させるためには、細胞の分裂を促進し、増殖のスピードを上げる必要がある。多くのウイルス癌遺伝子は標的細胞を“不死化”させることで持続的に細胞増殖を起こしガン化させているが、HBVやHCVなどの肝炎ウイルスが人の細胞に感染しても標的細胞を不死化させることはない。HBVやHCVは、肝炎という炎症(=傷害)を引き起こし、それを持続させることでガンを発生させている。
図(傷害と再生)
細胞が傷つけられる(傷害を受ける)と、それに対する再生機構が働き細胞が修復される(又は新しく代わりとなる細胞が生成される)。これは、長い目で見ると「細胞分裂が長期間活性化された状態」と捉えることができる。このように、HBVやHCVは細胞を不死化しなくとも、細胞を傷つけその修復作用を利用することでガンを発生させていると考えられている。

HTLV-1と白血病

HTLV-1ヒトT細胞白血病ウイルス)とは、成人T細胞白血病を引き起こすウイルスである。

HTLV-1の特徴
・レトロウイルスである
・Tax、HBZ(ウイルス性がん遺伝子)をもつ
・潜伏期間が長い(数十年)
・男性キャリアの方が発症率が高い
・母子感染が主な感染経路である

HTLV-1はレトロウイルスRNAウイルス)であり、逆転写酵素を持っている。
また、ガン性ウイルスの多くが保持するウイルス性がん遺伝子であるv-oncは持たず、TaxやHBZなどを持つ。
潜伏期間は数十年と非常に長く、発症しないまま一生を終える可能性も大いにある。男性キャリアの発症率は約6%、女性キャリアは約2%となっており、男性キャリアの発症率が3倍近く高い。
主な感染経路は母子感染であるため、HTLV-1に感染している女性が子供を産んだ際は授乳を避けるのが一般的である。

EBウイルスとバーキットリンパ腫・鼻咽頭ガン

EBウイルスは世界人口の95%が感染しているウイルスである。
乳幼児期に感染することが多く、B細胞や口腔咽頭上皮に感染し、バーキットリンパ腫、鼻咽頭ガンを引き起こすことがある。

HPV-16・HPV-18と子宮頸癌

HPV-16HPV-18子宮頸癌を引き起こすウイルスとして知られている。
近年、性交渉開始年齢の若年化により若年層の発症率が急増している。

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