尿の濃さの指標として「尿比重」と「尿浸透圧」が存在する。
尿比重は尿中に含まれる溶質の質量を、尿浸透圧は尿中の溶質内に含まれる粒子数を表している。
両者の基準値は尿比重1.015〜1.030、尿浸透圧200〜850mOsm/kgとなっており、慢性腎不全では尿の濃縮力が低下するため、尿比重は1.010、尿浸透圧は280mOsm/kg前後と低い値に固定される。(この時の尿浸透圧は血漿浸透圧とほぼ等しくなり「等張尿」の状態になっている)
以下に、尿比重と尿浸透圧の値と原因疾患を記載する。
値 | 原因疾患 |
---|---|
正常値 ・尿比重1.015〜1.030 ・尿浸透圧200〜850mOsm/kg |
|
高比重/高浸透圧 ・尿比重1.030以上 ・尿浸透圧850mOsm/kg以上 |
・脱水症 ・腎不全(無尿期) ・高張液輸液後 |
低比重/低浸透圧 ・尿比重1.010以下 ・尿浸透圧200mOsm/kg以下 |
・腎不全(利尿期) ・腎盂腎炎 ・尿崩症 ・水分大量摂取 ・利尿薬 |