腎臓・泌尿器系の疼痛

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腎臓・泌尿器系の疼痛

腎疾患が直接的な原因となって疼痛が起こることは少なく、排尿痛や疝痛がある時は、多くの場合“泌尿器系疾患”が関わっている。

症状 原因となる疾患
腎疝痛 ・背部から側腹部にかけての疼痛
・突発的で刺すような痛み
・悪心/嘔吐/頻脈などの神経症状を伴う
・尿管結石
・腎結石
・水腎症の悪化
腎部鈍痛 側腹部から背中にかけての鈍痛 ・急性腎炎症候群
・尿細管壊死
・急性腎盂腎炎
・水腎症
圧痛 腎臓の叩打診時に見られる鈍痛 ・腎結石
・急性腎盂腎炎
・水腎症
・腎生生検後出血
陰嚢部鈍痛 陰嚢部に感じる鈍痛 ・精巣腫瘍
・精索静脈瘤

腎疝痛とは、突発的な背部から側腹部にかけての疼痛である。悪心/嘔吐/頻脈などの自律神経症状を伴うことが多い。原因疾患としては、尿管結石や腎結石、水腎症の悪化などが挙げられる。
腎部鈍痛とは、側腹部から背中にかけての鈍痛のことである。原因疾患としては急性腎炎症候群・尿細管壊死・急性腎盂腎炎・水腎症などが挙げられる。
圧痛とは、腎臓の叩打診時に見られる鈍痛のことである。原因疾患としては、腎結石・急性腎盂腎炎・水腎症・腎生生検後出血などが挙げられる。
陰嚢部鈍痛とは、その名の通り陰嚢部に感じる疼痛のことである。原因疾患としては、精巣腫瘍や精索静脈瘤が挙げられる。

排尿痛の種類

排尿痛とは、排尿時に尿道及び膀胱に感じる疼痛のことである。
排尿痛は痛みの起こる時期により初期排尿痛全排尿痛終末期排尿痛の3つに分けることができる。

痛みの時期 機序 原因
初期排尿痛 排尿開始時のみ 尿が炎症部位に接触した時の刺激による ・尿道炎
・前立腺炎
・尿道結石
全排尿痛 排尿開始から終了まで 炎症が広範囲に広がっている場合、尿の排泄時に持続的に炎症部位に接触するため排尿終了まで痛みを感じ続ける。 ・急性膀胱炎
・間質性膀胱炎
終末期排尿痛 排尿後のみ 排尿終了後の膀胱上皮同士の接触による ・前立腺炎
・膀胱炎

初期排尿痛は、尿が炎症部位に接触した時の刺激によって排尿開始時に感じる痛みのことである。尿道炎・前立腺炎・尿道結石などが主な原因である。
全排尿痛とは、炎症がひどくなることで尿の排泄時から終了まで感じる持続的な痛みのことである。急性膀胱炎や間質性膀胱炎などが原因となる。
終末期排尿痛とは、排尿終了後の膀胱上皮同士が接触することによって生じる排尿後の痛みのことである。前立腺炎や膀胱炎などが原因となって起こる。

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