イマチニブ(商品名:グリベック)の作用機序・適応・副作用・使用上の注意

目次

概要・作用機序

慢性骨髄性白血病の患者のほぼ全員に見られるフィラデルフィア染色体という異常染色体は、チロシンキナーゼと呼ばれる酵素を生成している。チロシンキナーゼは、骨髄細胞の分裂に悪影響を及ぼし、白血病の原因となる細胞を作り出してしまう。イマチニブ(商品名:グリベック)は、このチロシンキナーゼの働きを阻害することで白血病患者の治療に貢献する分子標的薬である。

適応

POINTイマチニブ(グリベック)の適応 ・慢性骨髄性白血病
・消化管間質腫瘍(GIST)

イマチニブ(グリベック)の適応となるのは、慢性骨髄性白血病消化管間質腫瘍(GISTである。特に、造血管細胞移植などの治療法よりも副作用が少なく予後も良好のため、慢性骨髄性白血病では第一選択薬として用いられる。

プラスの知識 イマチニブ(グリベック)は、インターフェロンα耐性の慢性骨髄性白血病にも効果があることで知られている。

主な副作用

POINTイマチニブ(グリベック)の副作用 ・発疹
・むくみ
・吐き気
・肝機能/腎機能低下
・消化管障害(下痢等)
・筋肉の痛み

皮膚の発疹は特に多くの患者さんで見られる症状である。また、足や眼の周辺のむくみ、吐き気、肝機能や腎機能の低下、消化管障害(下痢等)、筋肉の痛みなどが見られる場合もある。

このようにイマチニブ(グリベック)には多くの副作用が知られているが、実際はそれぞれの副作用に合った適切な対処を行うことでこれらの症状を抑え、イマチニブ(グリベック)を使った治療を継続していくことが可能である場合が多い。

使用上の注意

アセトアミノフェン(鎮痛薬)・グレープフルーツジュースセント・ジョーンズ・ワートの3つについては、イマチニブ(グリベック)と併用することで相互作用が起き、上記のイマチニブ(グリベック)の副作用を増強させる可能性があるのでイマチニブ(グリベック)の投与中は控える必要がある。

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