ゲフィチニブ(イレッサ)の作用機序・適応・副作用・使用上の注意

目次

概要・作用機序

ガン細胞の分裂や増殖を促進する因子は、ガン細胞の表面にある上皮成長因子受容体(EGFR)と結合することによって、効果を発揮する。ゲフィチニブ(商品名:イレッサ)は上皮成長因子受容体(EGFR)を構成するチロシンキナーゼを選択的に阻害することでシグナル伝達を抑制し、ガン細胞の増殖を抑える抗がん剤である。

ゲフィチニブ(イレッサ)の適応

POINTゲフィチニブ(イレッサ)の適応 ・手術が不可能で再発し他の抗がん剤で効果が芳しくなかった非小細胞肺がん
・非喫煙女性の腺がん

ゲフィチニブ(イレッサ)の適応は、手術が不可能で再発し他の抗がん剤で効果が芳しくなかった非小細胞肺がん、非喫煙女性の腺がんである。特に非小細胞肺がんでよく用いられる。

ゲフィチニブ(イレッサ)の副作用

POINTゲフィチニブ(イレッサ)の副作用 ・間質性肺炎
・急性肺障害
・発疹
・下痢
・脱毛
・全身倦怠感

ゲフィチニブ(イレッサ)の副作用として最も重大かつ有名なのは間質性肺炎である。

イレッサは、2002年7月、申請から5ヶ月という異例のスピードで世界で初めて日本で承認されました。
承認前から副作用が少ないと宣伝されましたが、2011年9月までに公式発表だけでも834人が副作用である間質性肺炎で死亡しました。
特に初期の頃に死亡者が集中しており、承認から半年で180人、1年で294年が亡くなっています。
この死亡者数は、他の抗がん剤より著しく多く、イレッサの間質性肺炎による最近の副作用死数と比較しても10倍近い死亡者数となっています。
わが国において、これほどの副作用死亡被害を出した薬害事件はありません。
薬害イレッサ弁護団HP「薬害イレッサ事件とは」より引用

間質性肺炎には、間質性肺炎の他にも発疹、下痢、吐き気、脱毛、全身倦怠感などの一般的な副作用も見られる場合がある。

ゲフィチニブ(イレッサ)が効きやすい人

POINTゲフィチニブ(イレッサ)が効きやすい人 ・女性
・腺がん
・喫煙歴がない
・東アジア人

ゲフィチニブ(イレッサ)が効きやすいのは、上皮細胞成長因子受容体(EGFR)に変異がある人である。変異がある可能性が高いのは女性、腺がん、喫煙歴がない、東アジアの人などの条件に当てはまる人である。逆に、男性、扁平上皮癌、喫煙者などは上皮細胞成長因子受容体(EGFR)に変異がないことが多く、ゲフィチニブ(イレッサ)の効果はあまり期待できない。

使用上の注意

ゲムシタビンワルファリンカリウム(抗血液凝固剤)、フェニトイン・カルバマゼピン(抗てんかん剤)、バルビツール酸系睡眠薬グレープフルーツジュースなどと相互作用を生じ、ゲフィチニブ(イレッサ)の副作用が増強される可能性がある。

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