ビタミンK「歴史・種類・構造・性質・欠乏症」

ビタミンKの歴史

1929年、デンマークのH.Damはニワトリに脱脂飼料を与えて飼育すると至る所に出血が見られることを発見した。出血の対処法としてそれまでに知られていたビタミンや肝油などを与えてみたもののあまり効果は見られなかった。しかし、肝脂や大麻種子などの植物を与えると出血が起こらなくなった。このことから、H.Damは血液凝固に関わる未発見のビタミンがあると考え研究を進めていき、1935年、その新しいビタミンの名称をビタミンKと定めた。

ビタミンKの種類・構造

・K1
・K2
・K3
・K4
・K5
・K6
・K7

ビタミンKは1〜7までの7種類存在する。天然に存在するのはK1(フィロキノン)とK2(メナキノン)であり、K3〜K7は合成された化合物である。
K1とK2は2-メチル-1,4-ナフトキノン環を基本骨格として、K1はフィチル基、K2はイソプレニル基の繰り返し構造をもつ。

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ビタミンKの存在場所

ビタミンKを多く含む食品として有名なのは緑黄色野菜やサラダ油(K1)、納豆、青のり(K2)などである。

ビタミンKの性質

ビタミンKはアルカリや紫外線によって分解される。
また、熱には安定である。

ビタミンKの生理作用

タンパク質の中には、生成された後何かしらの修飾を受けて初めて生理作用を示すものがあり、この時に施される修飾のことを「翻訳後修飾」と呼ぶ。
翻訳後修飾の一種である「グルタミン酸のγ-カルボキシ化」では、ビタミンK依存性カルボキシラーゼという酵素を触媒として用いる必要があるが、ビタミンKはこの酵素の補酵素として働いている。グルタミン酸がγ-カルボキシ化して得られるγ-カルボキシグルタミン酸を含有するタンパク質は総称してGlaタンパク質と呼ばれるが、このうちいくつかは「血液凝固因子」に分類される。従って、ビタミンKが不足してγ-カルボキシグルタミン酸が減少すると、結果的に血液凝固因子が減り、出血が起こりやすくなってしまうのである。

ビタミンKの体内分布

ビタミンKは胆汁酸でミセル化され、小腸上部から吸収される。
その後、キロミクロンに取り込まれリンパ管を経て左鎖骨下静脈より全身循環に入り各組織へ分布する。

ビタミンKの欠乏症

・新生児出血症
・乳児出血症

新生児出血症とは、新生児(生後1ヶ月未満)の消化管内で出血が起こる病気のことである。ビタミンKの投与で改善し、予後も良好である場合が多い。
乳児出血症とは、乳児頭蓋内で出血が起こる病気のことである。ビタミンKの投与により症状は改善するが、予後は不良である場合が多い。

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