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腐敗とは
腐敗とは、人が食べることができないような状態に食品が分解されることである。
食品は微生物の増殖によってタンパク質が変質することによって腐敗するため、微生物が繁殖しやすい環境などでは腐敗が起こりやすい。
ここでは、腐敗を起こす代表的な3つの反応「脱炭酸反応・脱アミノ反応・還元反応」について詳しく解説していこうと思う。
脱炭酸反応
アミノ酸は、分子中にカルボン酸とアミンの構造を持っている。この2つの構造のうち、脱炭酸によってカルボン酸が取り除かれると、アミンの構造のみが残ることになる。この時のアミンのことを腐敗アミンという。
以下に、元になるアミノ酸と腐敗アミンの例をいくつか挙げておく。
アミノ酸 | 腐敗アミン |
---|---|
ヒスチジン | ヒスタミン |
チロシン | チラミン |
トリプトファン | トリプタミン |
アルギニン | アグマチン |
リシン | カダベリン |
脱アミノ反応
アミンが脱離すると、アンモニアが生成する。
アンモニアは刺激臭を持つので、脱アミノ化して腐敗したものは悪臭を放つ。
還元
魚類に含まれるトリメチルアミンオキシドという物質が還元されると、トリメチルアミンとなる。
トリメチルアミンは魚が腐敗したときの臭いの原因となる。