主量子数・方位量子数・磁気量子数

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主量子数

電子殻であるK殻、L殻、M殻…に対応してK殻をn=1、L殻をn=2、M殻をn=3…とする。この時、nは主量子数を表しており、n=(1、2、3…)となる。言い換えると、主量子数というのは電子が存在する電子殻の種類を指しているのである。

方位量子数

方位量子数はlで表され、軌道の形を判断するための指標となる。
方位量子数の値は、

主量子数nが1の時、方位量子数lは0
主量子数nが2の時、方位量子数lは0、1の2通り
主量子数nが3の時、方位量子数lは0、1、2の3通り

となる。
後の例題を見るとわかりやすいと思うが、「主量子数nが3の時、方位量子数lは0、1、2の3通り存在する」というのは、s軌道の時l=0、p軌道の時l=1、d軌道の時l=2になるということである。

磁気量子数

磁気量子数はmで表され「-l、-(l-1) … -1、0、1 … 1-l、 l 」で求めることができる。磁気量子数は軌道の方向を判断するための指標となる。

例題

例題1 主量子数n=1の時、方位量子数l、磁気量子数mの値を求めなさい。

主量子数n=1のとき、方位量子数l=1、磁気量子数m=0となる。

主量子数n=1というのはK殻のことである。K殻の軌道はs軌道のみなのでl=0である。また、s軌道は単一であり特に方向はないので磁気量子数m=0となる。

例題2 主量子数n=2の時、方位量子数l、磁気量子数mの値を求めなさい。

主量子数n=2のとき、s軌道「方位量子数l=0、磁気量子数m=0」、p軌道「方位量子数l=1、磁気量子数m=-1、0、1」となる。
主量子数n=2というのはL殻のことである。L殻にはs軌道とp軌道の2つが存在しており、s軌道の方はK殻の場合と同様「方位量子数l=n—1=1-1=0、磁気量子数m=0」となるが、p軌道の方は方位量子数l=1であり、また、p軌道にはX、Y、Zの3種類の方向があるため磁気量子数m=-1、0、1となる。

例題3 主量子数n=3の時、方位量子数l、磁気量子数mの値を求めなさい。

主量子数n=3のとき、s軌道「方位量子数l=0、磁気量子数m=0」、p軌道「方位量子数l=1、磁気量子数m=-1、0、1」、d軌道「方位量子数l=2、磁気量子数m=-2、-1、0、1、2」となる。
主量子数n=3というのはM殻のことである。M殻にはs軌道とp軌道、d軌道の3つが存在しており、s軌道、p軌道はK殻やL殻の場合と同様「方位量子数l=n—1=1-1=0、磁気量子数m=0(s軌道)」、「方位量子数l=1、磁気量子数m=-1、0、1(p軌道)」となるが、d軌道の方は方位量子数l=2であり、また、d軌道には5種類の方向があるため磁気量子数m=-2、-1、0、1、2となる。

まとめ

K殻の主量子数n,方位量子数l,磁気量子数m

主量子数n 方位量子数l 磁気量子数m
s軌道 1 0 0

L殻の主量子数n,方位量子数l,磁気量子数m

主量子数n 方位量子数l 磁気量子数m
s軌道 2 0 0
p軌道 2 1 -1、0、1

M殻の主量子数n,方位量子数l,磁気量子数m

主量子数n 方位量子数l 磁気量子数m
s軌道 3 0 0
p軌道 3 1 -1、0、1
d軌道 3 2 -2、-1、0、1、2
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