病態生化学– category –
生化学ベースで代表的な疾患・病態を扱う学問
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病態生化学
尿閉の原因と分類
【尿閉とは】 尿閉とは、膀胱内に貯留した尿を体外に排泄できない状態のことである。 あくまで「尿を排出する過程」に問題があるわけで、尿の産生低下を原因とする乏尿や無尿とは異なるということに注意が必要である。 尿閉は、大きく急性尿閉と慢性尿閉に... -
病態生化学
糖尿病の診断基準
【糖尿病の診断基準】 糖尿病かどうかを判断する上で重要となるのは「血糖値」と「慢性的であるか」の2点である。 ・血糖値 空腹時≧126mg/dL , OGTT2時間≧200mg/dL , 随時≧200mg/dL ・HbA1c(慢性的かどうかを判断する指標) HbA1c(NGSP)値≧6.5% , Hb... -
病態生化学
インスリン分泌障害とインスリン抵抗性
【インスリン分泌障害】 インスリン分泌障害は2型糖尿病の原因の1つである。 インスリンは通常、次のようなステップで分泌される。 インスリン分泌の流れ ① 常時、少量が分泌されている(基礎分泌) ② 食事を摂る ③ 血糖値が上昇 ④ インスリンの追加分泌... -
病態生化学
1型・2型糖尿病の原因と症状
【一型糖尿病の原因】 一型糖尿病は、遺伝的要因と環境的要因の2つが組み合わさることによって膵臓のランゲルハンス島β細胞が破壊されることで発症する。 POINT 第1要因:遺伝的要因 生まれつき特定のHLA型を持ち、膵臓のランゲルハンス島β細胞が常に狙... -
病態生化学
インスリンによる血糖値低下の仕組み
【インスリンによる血糖値低下の仕組み】 インスリンは血糖値を低下させるホルモンとして知られている。 ここでは、細胞内への糖の取り込みからインスリンが放出され血糖値を低下させるまでのメカニズムを解説していく。 【GLUT2とGLUT4】 まずは予備知識... -
病態生化学
血糖調節に関わるホルモンとその作用
【血糖調節ホルモンの分類】 血糖調節ホルモンは「血糖を上げるホルモン」と「血糖を下げるホルモン」に分類することができる。 POINT 血糖を上げるホルモン ・グルカゴン(膵臓のランゲルハンス島のα細胞から分泌) ・カテコールアミン(交感神経や副腎髄... -
病態生化学
血糖の調節を行う臓器
血糖が高い時と低い時で血糖の調節を行う臓器は異なる。 POINT ・血糖が高いとき 肝臓・筋肉・脂肪組織 ・血糖が低いとき 肝臓 血糖が高い時は、肝臓・筋肉・脂肪組織などで糖の取り込み・貯蔵を行う。 糖の取り込みや貯蔵には「インスリン」と呼ばれ... -
病態生化学
糖の摂取・貯蔵・利用
【糖の摂取・貯蔵・利用】 食事などにより摂取される糖(グルコース)や肝臓から放出された糖は、血中に流れ込んで全身の組織へと運ばれる。 血中に存在するグルコース濃度(=血糖値)は、正常であれば70〜110mg/dL程度に維持されている。これは、インス...