物理化学的相互作用と薬物吸収変化

物理化学的相互作用と薬物吸収変化

様々な物理化学的相互作用によって、薬物の吸収に変化が見られることがある。
吸収が増大する場合と低下する場合に分けて確認していく。

吸収が増大する場合

POINT吸収が増大する作用
・固体分散体化(ニフェジピンン)
・微粉化(グリセオフルビン)

薬物を固体分散体化すると表面積が大きくなり、溶解度が増大する。溶解度が増大すると吸収しやすくなるため結果的に吸収が増大する。固体分散体化によって吸収が増大する薬物として代表的なのは二フェジピンである。
また、薬物を微粉化すると表面積が大きくなり、溶解度が増大する。上と同様、溶解度が増大すると吸収しやすくなるため結果的に吸収が増大する。微粉化によって吸収が増大される薬物として代表的なのはグリセオフルビンである。

吸収が低下する場合

POINT吸収が低下する作用
・コレスチラミンを追加
・金属カチオンの追加
・結晶多形による溶解度変化
・水和物の形成

コレスチラミンを加えると、アニオン性薬物や胆汁酸を吸着して溶解度を低下させる(吸収が悪くなる)。コレスチラミンが吸着しやすい薬物として代表的なのはインドメタシンやワルファリンなどである。
金属カチオンを追加すると、薬物と不溶性のキレートを形成して溶解度が低下することがある。金属カチオンとキレートを形成しやすい薬物として代表的なのはテトラサイクリン系薬物(テトラサイクリン・ミノサイクリン)やニューキノロン系薬物(エノキサシン・ノルフロキサシン)などである。
結晶多形というのは、同一分子でありながらも結晶中での分子の配列の仕方が異なるもののことである。結晶多形の中で特に“安定形”になると溶解度が下がる場合が多く、代表的な薬物としてはパルミチン酸クロラムフェニコールやリボフラビンなどが挙げられる。
水和物は通常の状態と比べて溶解度が低い場合がほとんどである。水和物を形成しやすい薬物としてカフェインやアンピシリンなどがある。

物理化学的相互作用と薬物吸収変化

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相互作用する要因 相互作用の結果 薬物
溶解度増大 ・固体分散体化
・微粉化
固体表面積を増大 ・ニフェジピン(固体分散体化)
・グリセオフルビン(微粉化)
溶解度低下 ・コレスチラミンを追加
・金属カチオンの追加
・結晶多形による溶解度変化
・水和物の形成
・アニオン性薬物/胆汁酸の吸着
・不溶性のキレートを形成
・安定形で不溶化
・水和により溶解速度が低下
【コレスチラミンを追加】
 ・インドメタシン
 ・ワルファリン

【金属カチオンを追加】
 ・テトラサイクリン系薬物(テトラサイクリン・ミノサイクリン)
 ・ニューキノロン系薬物(エノキサシン・ノルフロキサシン)

【結晶多形】
 ・パルミチン酸クロラムフェニコール
 ・リボフラビン

【水和物】
 ・カフェイン
 ・アンピシリン

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