乙字湯

乙字湯の適応

POINT乙字湯の適応
・炎症軽減
・血流改善

乙字湯は、肛門周辺の炎症を和らげたり、血流を改善したりする漢方薬である。
これらの症状は一般的に「痔(じ)」と呼ばれるため、乙字湯は痔に効く漢方薬として知られている。

乙字湯と相性のいい体質

乙字湯は、以下のような体質の人と相性がいい。

POINT乙字湯と相性のいい体質
・便秘になりやすい
・痔になりやすい
・体力が中等度
・便が硬くなりやすい

乙字湯は、体力が中程度で、頻繁に便秘なったり、便が硬くなったりする人に対してよく用いられる。体力が中等度の人としているが、実際は、実証(体力があり比較的元気な人)に対しても用いられる。逆に、あまり体力の少ない虚弱体質の人に使われることが少ない。

乙字湯の構成生薬

乙字湯を含め、漢方というのは基本的に“生薬(しょうやく)”と呼ばれる天然由来の物質を組み合わせることで作られている。乙字湯には、以下の6つの生薬が含まれている。

POINT乙字湯の構成生薬
 ・当帰(トウキ)
 ・柴胡(サイコ)
 ・黄芩(オウゴン)
 ・甘草(カンゾウ)
 ・升麻(ショウマ)
 ・大黄(ダイオウ)

当帰・柴胡・黄芩は炎症を抑える働きがある。
大黄は便通を改善させる働きがある。
升麻は肛門部の潰瘍を抑えることで痔核(いぼ痔)などに作用する。

痔の種類
痔は、大きく3種類に分類することができる。
・裂肛(切れ痔)
肛門部が切れることで発症
激しい痛みを伴う
・痔核(いぼ痔)
直腸や肛門がうっ血してイボのようになったもの
・痔瘻(あな痔)
肛門周辺が細菌に感染することによって化膿し、それが進行することにより破裂した後に“膿の管(穴)”が残った状態になる

乙字湯の使用方法

ツムラの公式サイトによると、乙字湯を投与するときは成人では「1日7.5gを2~3回に分けて、食前または食間に経口投与する」とされています。

乙字湯の副作用

POINT乙字湯の副作用
・胃や腸の不快感
・胸焼け
・嘔吐感
・下痢・軟便

乙字湯は比較的効果の強い漢方であるので、元々体力が衰えており胃腸機能が衰えているひとが服用すると、下痢や軟便、胃腸の不快感、胸焼けなどを引き起こす可能性がある。また、元気のある人でも多く服用すると含有生薬の1つである「大黄」の瀉下により軟便を引き起こしやすい。

乙字湯の歴史

乙字湯は江戸時代の日本人医師「原 南陽(はら なんよう)」によって作られた。彼は、自分が作り出した漢方薬に対して「甲(こう)、乙(おつ)、丙(へい)、丁(てい)……」と十干の文字を当てはめるというルールを持っており、乙字湯は二番目に作られた漢方であったため、乙字湯と呼ばれている。(諸説あり)

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