血液凝固の仕組み

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血液凝固

正常な血液は、血管の損傷などにより血管外に出ると速やかに凝固する。
これは、体内から出る血液量を最小限にとどめようとする生体の重要な防御機構であり、もしこの機能がなければ人は出血したらすぐに大量出血で死んでしまう。ここではその止血機構の仕組みについて説明していく。

血管壁の損傷により出血が起こった場合、血液が凝固するまでの簡単な流れは以下の通りである。

止血機構
①血管壁が損傷
②出血が起こる
③損傷部位へ血小板が粘着し凝集する(1次血栓
④フィブリンによりさらに強固な止血栓が形成される。(2次血栓

血管壁が損傷して出血が起こると、血管内皮細胞が傷ついて露出したコラーゲン繊維に血小板が結合する。

*血小板とは*
・骨髄に存在する巨核球の一部が切断されて血中に移行した、無核の細胞断片
・直径2〜4μm
・血液中に15〜35万個/mm3存在
・8〜10日の寿命

この時の結合は、血小板上の糖タンパク質とコラーゲンをvon Willebrand(フォン ウィルブランド)因子が架橋することによって形成されるものである。
次に、コラーゲンと結合した血小板内のCa2+濃度が上昇する。
Ca2+濃度の上昇は次のような作用を引き起こす。

・密顆粒中のADPとセロトニンが細胞外に放出され、他の血小板を活性化する
・トロンボキサンA2が産生され、血小板凝集が促進される
・トロンポキサンA2が血管収縮を引き起こす
・細胞膜に糖タンパク質(上のものとは別)が形成される
・最後に、形成された糖タンパク質にフィブリノーゲンが結合し、血小板同士が架橋される

まず、血小板内のCa2+濃度の上昇に刺激されて密顆粒中のADPとセロトニンが細胞外に放出され、他の血小板を活性化する。次に、トロンボキサンA2が産生され、血小板凝集が促進されて血管収縮が起こる。また、細胞膜に新たな糖タンパク質が形成され、それにフィブリノーゲンが結合することで血小板同士が架橋され、よりしっかりと止血される。

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