抗体の定義・種類・構造

抗体の定義

抗体とは抗原と特異的に結合して免疫応答反応を引き起こすタンパク質分子のことである。

抗体の簡易画像

抗体の抗原結合部位はタンパク質や細菌などの高分子化合物を抗原として認識し、その認識された部位はエピトープ(抗原決定基)と呼ばれる。

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ちなみに、抗体の抗原結合部位と抗原のエピトープは相補的な構造となっているため、ある抗原に結合できる抗体は限られている。(抗体は抗原特異性をもつ)

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また、抗原と抗体は非共有結合によって繋がっているということも理解しておくべきである。

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炭化水素基と炭化水素基間は疎水結合(水分子が集合するため結果的に疎水分子が近づいて形成される結合)、電気陰性度の高い原子(主にF・O・N)に付いた水素原子とF・O・N間は水素結合、正電荷と負電荷間はイオン結合に繋がれており、いずれの結合も可逆的な結合である。

直鎖状エピトープと不連続エピトープ
先述の通り抗体が高原を認識し結合する部位はエピトープと呼ばれている。
エピトープは連続したアミノ酸からなる直鎖状エピトープと、ポリペプチド鎖中の離れた位置のアミノ酸がポリペプチド鎖の折り畳みによって近くに集まり形成される不連続エピトープに分類することができる。

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抗原の種類
抗原は完全抗原と不連続抗原の2種類に分類することができる。

完全抗原は主にタンパク質(場合によっては核酸や多糖体なども)で構成されており、抗体の産生を促す性質(抗原性)と抗体と結合する性質(反応原性)をもつ。
多糖体で形成された抗原のエピトープはタンパク質の場合よりも溝の浅い抗原結合部位に結合する。

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不完全抗原(=ハプテン)は低分子化合物(ステロイドホルモンやモルヒネなど)で構成されており、反応原性はあるが抗原性は持たない。ただし、生体内に存在するタンパク質と共有結合をすることで抗体を誘導することができる(抗原性を獲得する)。
また、このようにハプテンの抗原性獲得に関与するタンパク質のことをキャリアと呼ぶ。

エピトープの大きさについて
エピトープは基本的にはアミノ酸残基10〜15個程度と学ぶことが多いが、必ずしもこの条件が全てのエピトープに当てはまるわけではない。モノによってはこれ以上のものもあれば逆に10個以下という場合も存在するので「エピトープの大きさは一定ではない」ということを把握しておくべきである。

抗体の構造
抗体の構造についてもう少し細かい部分を確認していく。

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抗体はH鎖(重鎖)とL鎖(軽鎖)で構成されている。2本のH鎖・L鎖同士はそれぞれ同一の構造をとっており、鎖を繋いでいるジスルフィド結合(システイン残基間の共有結合)を切断すると2本のH鎖と2本のL鎖に分割される。また、図の上の方をN末端(アミノ末端)、下の方をC末端(カルボキシ末端)という。

ジスルフィド結合の還元をさらに詳しく確認する。

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これはシステイン2分子間で共有結合した場合の例である。
システインを酸化することで、システイン中に存在するスルフヒドリル基(=システイン残基)のS原子同士を共有結合させジスルフィド結合が生成。これを還元すると再びジスルフィド結合が開烈し2分子のシステインとなる。

定常部と可変部
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抗体のN末端側はH鎖・L鎖ともに構造を状況に合わせて変化させることができるので可変部、C末端側は構造が常に同じであるので定常部と呼ばれる。

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H鎖の定常部CHの構造により、抗体のクラスが決定する。
また、L鎖はクラスとは関係なくκ鎖(カッパー鎖)orλ鎖(ラムダー鎖)で構成されている。

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